笑ってはいけない

わたし、神主として毎日神社でご奉仕しています。
いまうちの神社は神主はわたし一人だけですから365日、毎日です。神主のやることって結構いろいろあって、一般企業と同じように事務仕事もあれば、雑務もたくさんあります。他には、こっちが本務ですが神社は神様を祀るところですので、祭りをおこなうということが一番大事なお仕事です。
祭りは年に1度の大きな祭りだけではなくて、小さな祭りは頻繁におこないます。もっとも小さな祭りですと、神主が一人で、神様にお供えものを供え、祝詞を奏上することで成立しますから毎日あります。
おそらく日本中どこの神社でもやっていますが朝一番に日供祭(にっくさい)をしています。神様にその日のお供えものを供えて新しい日を迎えることができたことを感謝し、一日の平安を祈ります。


そのようにお祭りをおこなったり、神前にすすむときなどは、心身を祓い清めて、気持ちもピンっと張っている状態です。そんなときは私語はありませんし、笑って歯をだしたりすることも慎みます。
が、その他の仕事のときはもちろんそんなことはなく、事務仕事とか、作業するときはアッハッハと笑いながらやっています。もちろん何もないのにずっと笑っているわけではありませんけど・・・

わたしの場合、基本休みなしで1年365日毎日ですからずっと張りつめたままだと糸が切れてしますしね。祭儀のときと一般業務のときはずいぶん違うんですね。
それは参拝にこられる方の場合も同じで、ちょっと散歩にという感じで神社にお参りする場合なんかは気楽に、ですが例えばお祭りに参列するときや、御祈祷を受けるときなどは神主同様にお祓いを受けて清めて気持ちもピンっと張った状態になっていただきます。神様の前に出るということですからね。

先日も御祈祷の最中のこと。
祭典では玉串拝礼(たまぐしはいれい)というものがあります。玉串とは神様に捧げるもので榊の枝に御幣をつけたものです。
150913.gif

根元を下に、葉っぱを上に、イラストの通りの方向で渡しますので、これを時計回りに回転させて、根元が神様の方にむくようにして台に置きお供えします。
ということを説明をしたのですが、その方は玉串をもったままぐるぐると自分が回りはじめました。スイカ割りのときのように時計回りに回転しています。
もちろんご本人はふざけているわけではなくいたって真面目にまわります。

「あ、いや、そうではなくて、玉串(榊の枝)を回転させてください」
とお伝えすると、自分が回転しながら玉串も回転させておられます。

わたしはこういう場面、今までに何度もありますから慣れているので平常心のままです。笑い出したりはしません。
ただこのときは奥様が御一緒でして、「くっくっっ、自分は回らなくていいね・・その榊の枝だけをまわして・・・くっくっ・・・」と御主人の手をとって教えてくださいました。
御祈祷の最中でしたので、声をだして笑えない雰囲気でしたので奥様は必死に笑いをこらえながら御一緒に拝礼されていました。

笑っちゃいけない、という中でふいに面白いことに出くわすとこらえるのが大変なようですね。しちゃいけないという中でとうのがより一層面白くなってしまうのでしょうね。
鶴の恩返しにしてもそうですが、絶対見ちゃだめよ、といわれると見たくなるように、ダメといわれるとよけいに我慢ができなくなるのが人間の性なのでしょうかね。



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コメント

キンチョー

いつも更新ありがとうございます。


三宝の継ぎ目や御供え物の並べかたも同じで、こちら側が主人公じゃなくて、神サマがメイン…という理屈でようやく作法の意味合いがわかりかけた次第なんですが…


事前に説明を受けていても初めてのことだと、人によっては混乱してしまうものですね。


結婚する二人の写真を前撮りと言って、式を挙げる前に撮影する時でさえ、「腕を組んでください」とカメラマンに言われて、新郎さんが一人で腕組みをしたりしますからね。



笑ってはいけないし、さりとて怒ってもいけないし、人間だものいろいろありますわな~

2015/09/14 (Mon) 09:05 | ジンジャー #- | URL | 編集
阿蘇山中岳噴火

御嶽山の噴火が記憶に新しいですが、今日のニュースにビックリ。

まあ、あそこはガスの状態とかで天気が良くても立ち入り禁止とか徹底してるので、登山観光客に被害はないと思われますが。それにしても火山灰の影響は大変でしょうね。民家はなくても牛や馬は乗馬も含めて沢山いますから。


ところで御嶽山の神社はその後どうなったんでしょうかね…。


ちなみに阿蘇山は御存じかも知れませんが、ロープウェー乗り場の横に神社がありますよね。確かコンクリート製じゃなかったかな。どうか無事であることを祈ります。

2015/09/15 (Tue) 19:42 | ジンジャー #- | URL | 編集

笑ってはいけない時に何故か本当に笑えますよね。なんでなんでしょう?
お正月にご祈祷の鈴祓いに入るのですが、神主さんが座礼をする時に、烏帽子が前にある案のすれすれを通るのです。権禰宜さんも禰宜さんも。で、ご祈祷が終わって片付けている時に権禰宜さんに、「よく烏帽子、案に当てないね」と言うと「いや、怖いんですよ!案に当てないかいっつも怖いんです!だって当てちゃったら笑ってはいけないご祈祷24時!になるじゃないですか!!」と言われ笑ってしまいました。
そこからその後のご祈祷で神主さんの烏帽子が案すれすれを通るたびに権禰宜さんが言った「笑ってはいけないご祈祷24時」という言葉を思い出し、笑いをこらえるのに必死でした…。

2015/09/23 (Wed) 20:10 | 煌夜 #- | URL | 編集
ジンジャーさま

たしかにその通り、事前に説明を受けていても、初めてのことだと混乱することは多いですね。緊張するとよけいに。

> 「腕を組んでください」とカメラマンに言われて、新郎さんが一人で腕組みをしたりしますからね。
たしかに、緊張していたりするとそういうこともあるでしょうね。
結婚式の前撮りだとその場の人みんなで大笑いして、二人の緊張もほぐれるかなというところですが、式始まってしまうとみんなで大笑いできず、みんな笑いをこらえるんでしょうね。でもいい思い出になりそうですが。

2015/09/24 (Thu) 16:07 | 神主 #X.Av9vec | URL | 編集
煌夜さま

烏帽子がすれすれを通る、
それわかりますよ。当たらないように・・・・と
でもいろんな場所で祭典をしますから、あきらかに、これは無理という距離のところもあります。
そういうときはもう気持ちだけ曲げるという技が発動されます。当たるんですもの・・・

2015/09/24 (Thu) 16:13 | 神主 #X.Av9vec | URL | 編集

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