とりい

連日の猛暑、観測をはじめて約150年のあいだで「観測史上最高」の・・・というフレーズが飛び交っているこの頃。
こう暑いと想像もできませんが、今年のお正月は大雪だったんですよね。京都では60年ぶりの大雪というこれまた歴史的な大雪でしたので交通網がかなり乱れたり、いろいろなところで被害がでていました。

うちの神社では大雪の被害というのはほとんどありませんでした、テントの屋根が雪の重みで破れたくらいですので、あれだけの大雪の被害としては小さなものです。それでもまぁ雪国の方々からみるとたいした雪の量ではないとは思いますが雪に慣れていない京都では大変なことでした・
私は自社の武信稲荷神社のほかにもいくつか神社を兼務していますが、そちらの神社では大きな被害が出ました。雪の重みで駐車場の屋根が倒壊、倒れるときにそれが鳥居にぶつかって鳥居も壊れた。石の鳥居でしたので近くに人や物があれば大事故になるところでした。というか、近くのものが倒れて鳥居も巻き添えになったということなんですが。

鳥居がこわれたままでは危険なので、すぐに応急処置をしています。
が、元通りに復旧するには至っていません。なにしろ石の鳥居をつくったり、修理したりするのはかなりの費用がかかりますから、費用捻出までに時間がかかることもよくありますし。
そんなことで、いま鳥居は笠木がなく、柱だけが残っている状態で立っています。
で、それから半年。
普段は私は自社の武信稲荷神社におりますから、兼務している神社は町内の方々がお世話をしてくださっています。
先日そちらの町内の会長が、「お祓いをお願いしたい」と依頼しにに来られました。
なんのお祓いなんでしょうか?とよく話をきいてみると、
今年にはいってから町内で不幸が続いている。それで町内の古老の方々が、正月の大雪で鳥居が壊れて、応急処置はしたものの元通りには修復できずに放置しているのが悪いのではないか、と気にされているのでお祓いを。
ということでした。

鳥居の修理のときに私も確認をして、こういう応急処置をして問題ないですとお伝えしていますし、今回のことも鳥居が壊れたこととは関係はないので大丈夫なのですがそれでも気にされる方がおられるということでしたので、お祓いをすることになりました。

神社に鎮まります神様に
「鳥居が壊れてしまったのに、すぐに修復できずにそのままになっております。危険がないように処置はしており、また時期がくれば立派に直したいとも考えておりますので、しばらくの間お見苦しいかとは思いますが、何卒ご容赦ください。」
と奉告をして、鳥居の場所、事故のあった場所をお清めするお祭りを行います。


お祓いというものは、罪やケガレを祓い清めるということですが、罪やケガレだけでなく、たとえば気持ちのモヤモヤ、わだかまりであったり、または途中で失敗つまづいたりしてやり直すときに元の状態、本来あるべき正しい姿に戻す、というような意味もあります。

今回の場合でしたら町内の方々や、壊れた鳥居に罪や穢れ(ケガレ)があるわけではありませんが、しいて言うなら穢れ(ケガレ)でなく気枯れ(ケガレ)ということです。鳥居が壊れたのにそのままにしているという事を気に病んでしまい、気が枯れるということになってしまっている。
鳥居は神域と外界を区切る門、結界のようなものですからそれが壊れてしまった状態であるというのは気になってしまう、というのもわかりますから、お祓いをして気枯れを取り除き、気力を戻し元気になってもらう、そんな感じです。

いずれ立派に鳥居がたてばもっと晴れやかな気持ちになってもらえることでしょう。そのときを楽しみにしております。



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コメント

神葬祭

暑いなか更新ありがとうございます。

先のコメントにありましたが、人の現し世の最後の儀式としての弔い…宗教によって様々ではありましが、一番わかりやすい儀式じゃないかなと思います。


まさに読経によって阿弥陀さまのもとへとのぼっていく、あるいは喝!の一声で現世を断つ。中でも神葬祭は、帰幽という言葉の意味がよくわかります。お祭りなんかで御神輿や御鳳れんに魂・御神体を移すよりわかりやすいと思います。神サマと一緒。ですから何も汚れてないです。気持ちが枯れてるに過ぎないというわけです。


ところで木製の大鳥居が危険ということで西淀川区のある神社は去年の暮れに撤去し、お正月は鳥居なしの初詣も先日の夏祭りも鳥居なしの地車の宮入りでした…


不謹慎ながら一度は見たい鳥居の建立。おそらく鳥居をいったん寝かせるか斜めにしてクレーンで吊し上げて穴の中に入れるのでしょうが…運よく拝見出来るかワクワクしたりしてます。地下鉄の車両をどうやって地下に入れたの?という漫才がありましたが、見なれた神社の鳥居でも興味はつきません。

ありがとうございました。おやすみなさい。

2015/08/05 (Wed) 22:21 | ジンジャー #- | URL | 編集
神主様のお仕事は…

被害のあった神社の神様へのご報告、壊れた鳥居のお祓い・お清め、
お疲れさまでした。

その町内の皆様の お気持ち ( 気枯れ ) も、お察しいたします。

神主様のお仕事は、あるときは シャーマンであったり、
またあるときは ヒーリングセラピストであったりするのですね。

きっと、ご町内の皆様の気持ちも
神主様ののヒーリングセラピーで、ハレたのではないでしょうか。

2015/08/06 (Thu) 12:19 | 筒姫 #- | URL | 編集
ジンジャーさま

神葬祭については、実際にとりおこなっていますと、「わかりやすかった」「よかった」という声をよく聞きます。祭詞がお経と違い比較的わかりやすいというのも要因の一つだとは思いますが、よかったという声が多いですね。
しかし、「わかりやすい」「よかった」から「もう一度やりたい」という声は当然ながらありません(笑)

鳥居の建立。
そういえば伏見稲荷千本鳥居は古いものを撤去、あいた場所に新しいものをたてる、と繰り返していますから、結構な頻度で鳥居建立を目撃するのではないでしょうか・・・

2015/08/12 (Wed) 16:08 | 神主 #X.Av9vec | URL | 編集
筒姫さま

> 神主様のお仕事は、あるときは シャーマンであったり、
> またあるときは ヒーリングセラピストであったりするのですね。
ええ。まさにそうだと思います。いろんな役割があると思います。神様と人の間にたつものですから、神様よりのとき、人よりのときで役割が違ったりしますしね。

お町内のみなさまの心が晴れたことを願っています。

2015/08/12 (Wed) 16:11 | 神主 #X.Av9vec | URL | 編集

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