産土神

先日、神社関係者の連絡網でながれてくる情報のなかにネット上に掲載されている記事に「自分だけの神様“産土様”を参拝して、神様ネットワークを強化しよう!」というのがありますよぉというのがありました。
http://happism.cyzowoman.com/2012/08/post_1130.html

内容は自分にとっての産土神(うぶすな)様をみつけて参拝しましょう。そうすることで開運しますよ!縁結びにご利益盛大ですよ!というようなものでした。
これ、産土神社鑑定士の藤尾美友さんという方のお話しをもとにした記事だったのですが、
産土神社鑑定士というものがあるのにはちょっと驚きでした。すごい鑑定士があるんだなあと軽い衝撃を受けました。

藤尾美友さんのサイト
http://ameblo.jp/kaiun-ilu/

自分の産土神社を探してくれるというサービスのようです。
昔は地元の方々が氏神様、産土神様について各家、各里で親から子へと次々と受け継いでいっていましたから、皆しっている事でした。しかし現代では家族構成や地域のつながりなどが激変してそういうことを祖父母、親から教えてもらえなくなっていますから、こういうサービスができるのでしょう。

ちなみに産土神というのは、土地、村、郷をまもってくださる神様というような感じです。
古神道では自分を産まれたときから死ぬときまで護ってくださるもの、わかりやすい言い方だと自分につく「守護神」のような存在としていわれます。
ほかにも産土神社を探すサービスはあるようですが大抵、自分にとってオンリーワンの産土様を探します、と宣伝されているので、「守護神」というような感じで古神道のそれを取り入れているのでしょう。

これ仏教の(密教が主だと思いますが)守り本尊様に近いような感覚ですね。私は仏教は詳しくないのですが、灌頂(かんじょう)という儀式で、目隠しして曼荼羅に華を投げる、その華が落ちたところに描かれている仏様を自分の守り本尊とする。とあります。
産土神様は土地を護ってくださるということですから地縁に基づく信仰、氏神様は一族氏族を護ってくださるものですから血縁に基づくもの。記事のなかで、産土神様をお参りして縁結びアップ!とあったのですが多分、地縁や血縁、それらを護ってくださるから、ということかなと思います。


産土神様を探すというサービスに話しを戻して、藤尾美友さんのサイトを拝見させていただいて「いい事おっしゃるなあ」と見てました。ただし少し「う~ん・・それはちょっと・・・」というところもあるんですが、まあそれは神社の神主にしても個々人で考え方は違うし、神主の中にも「それはおかしいだろう」ということを口にする人もいますし。


で、冒頭の「自分だけの神様“産土様”を参拝して、神様ネットワークを強化しよう!」の記事中にあきらかにおかしいところがあり、訂正をしておきたくてここに書いています。


産土神社の探し方という章があって
1、出生地から近い神社を探す。直近のところが産土神社であるとは限らないので、複数の神社を見つけることをオススメします。
2、見つかった神社が「稲荷神社」だった場合や、「小さすぎる祠」「近代の戦没者が祀ってあるだけの神社」などは除外してください。
※お稲荷さんは眷属(けんぞく)という神様の使いの動物なので、産土神社にはなりません。
3、複数の神社が見つかった場合は、「お宮」「参道」が残っている神社を選ぶ。森が残っているとなおよし。


2の「稲荷神社」を除外するというのがあきらかにおかしいですね。これは私が稲荷神社の神主だから言うわけでなくって・・。お稲荷さんは眷属(けんぞく)という神様の使いの動物なので、と言っているところが、世間一般によくある「お稲荷さん」を「キツネ」だと間違えている典型的な例ですね。

ここでいう眷属、神様の使いをする動物とはキツネのことです。で、どの神様の使いかというとそれが「お稲荷さん」です。稲荷神社は稲荷神を祀る神社であって、眷属を祀っているわけではないんですね、当然ながら。
この記事を書いた人は多分「お稲荷さん」を「眷属」だと思っておられますがそれが間違いで、
「お稲荷さん」の「眷属」が「キツネ」ですね。

眷属とはどういうものなのかをちょっと調べればすぐにわかったはずなんですが・・
藤尾美友さんのサイトを見るかぎりご本人がそんなことを知らないとは思えないし、多分これはこの記事を書いた記者さんのミスでしょう。もしこのブログを見ることがあれば訂正しておいていただきたいなぁと・・

稲荷神社の神主としては、こういう間違いが広まるのはイヤなので、もとの記事を訂正してほしいのですが、とくに実害があるわけではないし、同様の勘違いは溢れかえっているし、目くじらたてて手間かけて訂正するほどのこともないのかなあ・・・
でも稲荷の神様のことを少しでも正しく知ってほしいと思うので、自分のブログでとりあえず書いておくことにしました。
これが神社にとって実害のある内容であれば手間がかかっても、訂正をお願いしてますけどね。検索大手のヤッホーさんになんかにもたまに訂正お願いしたりしてます(=^_^;=)ゞ 


よければランキング↓にクリックお願いします。

人気ランキングへ1票入れる
”FC2ランキングへ1票入れる


役割 | Home | ハハノケイタイ

コメント

今晩わ

なかなか難儀な問題ですね……

ただ私は、神道(古神道も含め)に救いを求めるのはおかしいと思ってます。つまり祈願はあくまで宣言・決意表明の類。
感謝こそすれ何かを求める亊は、およそ道ではないんじゃないかと…。

お稲荷さんも、文字通り「稲が成る」からなのか、町工場によく祀られてるように「鋳物が成る」かなのか解釈は色々でしょう?

鳥居のトンネルも稲の豊作をあらわしてるとか…
仏教系の最上稲荷(法華宗)豊川稲荷(曹洞宗)とかもあるし……

時代の節目には色々と出てきます。ただ根本は、生きている亊への感謝でしょう。別に改めて探す必要もないかと思います。路傍の石さえ神さま仏さまです。

2012/09/03 (Mon) 00:23 | ジンジャー #lH9P8MKE | URL | 編集
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2012/09/03 (Mon) 18:09 | # | | 編集

産土神だから誤解うみますね

マイブームののりでマイ神社ならわかりやすい

でも氏子―土地の絆の考えが抜けてるも?

2012/09/03 (Mon) 19:08 | ジンジャー #- | URL | 編集
顔なじみの神さん!

深く調べたわけではないですが、多分、私や妹がお宮参りをして、神社守の当番の時には、毎日、母と御灯明を灯しに行っていた神社が私の産土神社なのだと思います。

わざわざ調べないとわからないというのは寂しいですね!

ところで…

稲荷神社の神様は、オキツネさんだと思ってられる方多いですね!
まさかと思ってましたが私の母も、そうだと思い込んでました、
もちろん、私が蕩々と説教して勉強してもらいましたが!p(´⌒`q)

きっとあれですね!

コックリさんが流行ったときに、やたら稲荷神社でなんやらかんやらと取り沙汰されたりしたから キツネが稲荷神社の神様と思われてるのかもしれませんね!

2012/09/04 (Tue) 18:42 | 見古都 #- | URL | 編集

う~~ん…
時代なのでしょうか。
否定はしませんが、
どの道にせよ神仏の件については慎重に畏敬の念を忘れずに取り扱って頂きたいです。

さて私の生家は代々吉野の山門の守をする先達山伏でした。
吉野と住まう地域の神社仏閣を維持するお手伝いをさせて戴いておりました。
女人禁制なので参拝のみで修験者にはなれませんが、
私の心のうぶすなはここにおいて他には思いつかないです。
確か総本山の金峯山寺にはいくつか鳥居も祀られておりました。

2012/09/06 (Thu) 15:07 | 雅堂 #- | URL | 編集
ジンジャーさま

根本にあるのはおっしゃるとおり生きている亊への感謝にほかなりません。そのうえでこれからも無事に、幸せに生きていけるようにと求めるのですから、何かを求める事それ自体はおかしなこと、悪いことではないと思います。神道はもともと現世的ですし。

>別に改めて探す必要もないかと思います。路傍の石さえ神さま仏さまです。
わたしも同じように思います。
が、多分そういう時代なんでしょうね。
だからそれが正しい神様との向き合い方を知るきっかけになるのならそれもまたよし。と思うようにしています。

2012/09/06 (Thu) 21:55 | 神主 #X.Av9vec | URL | 編集
鍵コメさま

おっしゃることはわかりますよ。ご安心ください(*^ー゜)b

>…………………私事ですが、
これすごい話しですね。興味があります。
というか、ブログに何度も登場していますが「不思議クラブ」の会長が聞いたらよだれをたらいして食いついてくると思います。
今度ぜひ詳しく聞かせてくださいませ。

2012/09/06 (Thu) 21:58 | 神主 #X.Av9vec | URL | 編集
雅堂さま

>う~~ん…
>時代なのでしょうか。
>否定はしませんが、
時代ですね。
みやびさまがおっしゃりたいことは、わたしが少し違和感を感じてしまう部分とおそらく同じだと思います。

>さて私の生家は代々吉野の山門の守をする先達山伏でした。
そうでしたか。なんどかブログでもお寺にむかうというのが出てきていましたから、なにか縁がおありかなと思っていたましたが。
お寺にも鳥居があるところたくさんありますしね。うちから歩いて5分の神泉苑も鳥居がたくさんあります。

2012/09/06 (Thu) 22:03 | 神主 #X.Av9vec | URL | 編集
見古都さま

> わざわざ調べないとわからないというのは寂しいですね!
そうですよねえ。ほんと寂しいことです

> 稲荷神社の神様は、オキツネさんだと思ってられる方多いですね!
いや、ほんとうに多いですよ。というか8割くらいの人がそうなんじゃないかなあ。
わたしはこっくりさんよりももっと前じゃないかと想像してます。
江戸期に爆発的に増えてそれからしばらくしてからそういうふうに間違われだしたのではないかと思います(あくまで私の想像)
だから間違われ暦300年?

2012/09/06 (Thu) 22:07 | 神主 #X.Av9vec | URL | 編集
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2012/09/07 (Fri) 20:25 | # | | 編集

もとは五穀豊穣の神様やのに、そーゆーことを知らないで書くのはどうかと思えますねぇ。
私は引っ越しするとき、町内に神社があるのがとても嬉しく、心強いなって思いましたよ。自動的に氏子さんだわと。

ところで、神主様より先にお目にかかったお母様の第一印象は、「ずいぶんエキセントリックな方やなぁ」。
携帯の話は、ついあの時の印象を思い浮かべてしまいました。

2012/09/14 (Fri) 18:14 | ぽん #- | URL | 編集
ぽんさま

かなり多くの人がその間違いをしているのはわかっていることんですが、記者ならちゃんと調べるというか、理解してから書いてほしいなあと思ってしまいます。
最初どんな出会いをされたことやら
ほかの人に失礼がないか私が心配です(笑)

2012/09/16 (Sun) 21:10 | 神主 #X.Av9vec | URL | 編集
初めまして

上記にある藤尾美友さんの「産土神社の探し方」に関して検索し、こちらのサイトを見つけました。
私も恥ずかしながら無知でお稲荷様はきつねだと間違えていました。

いつも犬と散歩中に氏神様やお寺に寄ってお参りしています。
しかしお稲荷様だけは犬を嫌うと聞いたので、遠くからお参りしていました。
犬と一緒に近くに行ってお参りしても大丈夫でしょうか?それともやはりきつねが眷属なので、遠くからの方が良いでしょうか?
毎年豊川稲荷へも行くのですが、私と犬だけは荼枳尼天様が祀られている奥の院は遠くからお参りしていました。

2014/01/07 (Tue) 09:05 | うるる #1ysID9Ow | URL | 編集
うるるさま

はじめまして。
書きこみありがとうございます。

> しかしお稲荷様だけは犬を嫌うと聞いたので、
これはまったくそんなことはありません

> 犬と一緒に近くに行ってお参りしても大丈夫でしょうか?それともやはりきつねが眷属なので、遠くからの方が良いでしょうか?
これも稲荷だから、ということではなくて神社全般のはなしになりますが、犬を連れての参拝が可か不可かというこになります。
神社によっては境内に犬を連れて入ってはいけない、というところもあります。
そこの神社、御寺が犬を連れていってもよいとされる神社でしたら犬を連れたままお参りにいっても問題ありませんし、そこが犬を連れていってはいけない神社であれば外からお参りすることになります

ご質問に対する回答としては、「稲荷かどうかは関係がありません、その神社の基準でお参りしてください」ということになります。

2014/01/11 (Sat) 23:53 | 神主 #X.Av9vec | URL | 編集
ありがとうございます

近所のお寺様は犬や猫を飼っていらっしゃるからか、犬連れで住職の方にご挨拶をして
立ち入りを断られた事はありません。
豊川稲荷も抱っこしての参拝であれば可能なので、これからは奥の院もお参りします。
ありがとうございました。

2014/01/12 (Sun) 11:10 | うるる #1ysID9Ow | URL | 編集
うるるさま

抱っこしての参拝は可能なのでしたら一緒にいけますね。
参拝お続けください

2014/01/21 (Tue) 20:31 | 神主 #X.Av9vec | URL | 編集

こんにちは。始めまして。
突然で変に思われるかもしれませんが、私の夢の話を書き込ませていただきます。
私の母の実家の隣には、一族の本家があります。今は多分空き家だと思います。
すごく立派で古くて、歴史があるのだと思います。その家の前庭に、大きな杉の木がありました。でも少し前に切り倒されてしまいました。その庭にはお稲荷様が祀られていたと思います。
ここから夢のお話なのですが、まずその前庭が見え、続いて白く輝く狐が出てきて
木を切り倒されちゃったから、守りたかったけどもう守れない。
と言ってシュンと何処かに飛んで行ってしまいました。
狐はお稲荷様の眷属で、、、何処かに帰って行ったのかなあ。どこに帰って行ったのか、帰れたのか、今までどうもありがとうと時々思い起こします。
それだけの話なんですけれど。
今海外にいて、海外にも神様っているのかなあと思って色々ネットをみていてここにたどり着きました。
読んでいただいてありがとうございます。
益々のご活躍をお祈り申し上げます。

2014/05/11 (Sun) 13:44 | まいみ #- | URL | 編集
まいみさま

はじめまして。
夢のはなしは結構いろいろ不思議なことがもりこまれていますね。
なんどかこのブログでもみた夢の話を書いてくださったこともありますし、
夢のおつげでうちの神社にこられた、という方も何人もおられます。

海外でももちろん神様はおられますね。この世界が在るということ自体が神様の存在ですから、国や地域は関係ないです。国や地域によって表現するしかたが違うだけですしね。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

2014/05/12 (Mon) 21:14 | 神主 #X.Av9vec | URL | 編集

ありがとうございます。
どういう神様とご縁があるかわかりませんが、日々を大切に生活して行きたいと思います。

2014/05/14 (Wed) 11:28 | まいみ #- | URL | 編集
まいみさま


私たちが生きている、生活しているということは、それそのものがつねに神様とともにあるということですから、神様との繋がりを大切にしてすごしていきましょう!

2014/05/21 (Wed) 16:24 | 神主 #X.Av9vec | URL | 編集

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する