春望

お昼間はあいかわらずの暑さですが、朝と夜は涼しくなってきています。先日も夜、はだかで寝ると朝になったらちょっと寒くて震えてました。季節は移ろい行くものですねえ。

夏の終わりになってくるとなんとなくもの寂しい感じになるのはなんなんでしょうか。
タイトルの「春望」は終わりゆく夏を惜しんで「またすぐに夏がきますように」ということで春を望むというわけではなくって

少し前にブログでも書いていますが漢詩の世界。
http://jinjakannushi.blog89.fc2.com/blog-entry-850.html
春望は中国の最高の詩人ともいわれる杜甫(とほ)の詩のことです。

前の記事で漢詩つくるのにいろいろ漢詩をよんでみたのですが、そのときに「春望」もよんでみました。いや、もちろん素人ですから内容はあまりわかりませんが、それでもなにか感じるものがありました。

(記事にしていた漢詩についてはあらかたできたのですが、あともうひとひねり。というところで今とまっています。あと一息なんだがなあ。どなたか漢詩のわかる方おられないでしょうかね。)


で、春望
漢詩のことはなにも知らなかった私ですが、
「国破れて山河在り 城春にして草木深し」
国やぶれてさんがあり しろ春にしてそうもく深し
これだけは知っていました。
國破山河在 城春草木深 (国破れて山河在り 城春にして草木深し)
感時花濺涙 恨別鳥驚心 (時に感じては花にも涙を濺ぎ 別れを恨んで鳥にも心を驚かす)
烽火連三月 家書抵萬金 (烽火三月に連なり 家書萬金に抵る)
白頭掻更短 渾欲不勝簪 (白頭掻けば更に短く 渾て簪に勝えざらんと欲す)


杜甫の生きた1300年前は戦乱の世。国ができても戦争で滅ぼされたり、新しい国ができても汚職や腐敗が蔓延したりしていた時代。杜甫が役人として仕えていた国が戦争で滅ぼされて、城や町は荒れ果ててしまった。
「国破れて山河在り 城春にして草木深し」
国は滅んでなくなり城や町は荒れ果てたけれど、山河はかわらずにここに在る。城では人はおらずとも春がやってきて草木が茂っている。

「時に感じては花にも涙を濺ぎ 別れを恨んで鳥にも心を驚かす」
戦乱の時代、花をみても涙がこぼれ、家族と別れた境遇を恨んでは鳥の声にも心を驚かされる。

「烽火三月に連なり 家書萬金に抵る」
戦火はもう三ヶ月以上つづいている。なかなかこないときの家族からの手紙は万金に値するほど貴重に感じる。

「白頭掻けば更に短く 渾て簪に勝えざらんと欲す」
心労で真っ白になった頭を掻けば掻くほど髪の毛が抜け落ち、役人がかぶる冠をとめるかんざしも挿せないほどになってしまった。

(いろいろな約があるようなので、私がかんじる約です)


「国破れて山河在り 城春にして草木深し」
国は人間のつくったものですが、その国が滅びなくなったとしても、山や河はかわらずにそこに在る。人間がいなくても春はやってくるし、春になると草木は茂る。

ほんと、その通りなんですよね。
地球も50億年近くここにずっと在る。人間がうまれて200万年くらいですが、大地はずっとここに在るし、春になると草木が茂っているし、鳥は空でないている。


原発事故のおきた近隣地域はどうなるのでしょうか。
事故がおきて山河在り。発電所春にして草木深し
となるのかなあ。たしかに事故がおきたあとも山も河も在る。でも先日の新聞には原発周辺で採取された蝶(だったかな)に異常がみられたと書いてありました。ちゃんと木々が茂り鳥があつまる地になるんだろうか・・・


地球にやさしくとはよく聞かれる言葉になってますが、私はこの言葉きらいなんです。もちろん内容はよいことであるのは当然ですが、ちょっと捉え方に違和感があって・・・
自然とは神様の力の表れなわけで、神様そのものともいえます。神(自然)は畏れ敬うべきものであって、やさしくしてあげるというのは、ある意味エラそうな感じがして、無礼なものいいに聞こえてしまいます。(私はそう感じるというだけ)
そこには人間が自然を支配する、コントロールするという意識が根底にあるような気がしてしまいます。
はるか昔から、いつまでもそこに在る自然。そこにほんのしばらくの間おじゃまさせていただいているというのを感覚として持っていれば特別なことと捉えなくても自然との共生はなりたつと思います。

そういう私もそんなこと考えるようになったのは神社にもどってきて、神社の杜で木々にかこまれて過ごすようになってからです。
だから多くのひとに神社に行き神の気配を感じたり、神道にふれてもらいたいなあなんて思っています。





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今年の夏のおもいで | Home | 難読

コメント

あ、あのう・・・
はだかで寝ると寒いと思います。
同じことをして、翌朝いも虫になってました。
風邪引かれないよう、気をつけてくださいね。

異常が見つかったのは蝶ですね。
今の段階では、もとに戻るかどうかは分かりませんが、
元に戻るような技術やなんかが発見されて、
実用化されることを願うばかりです。


2012/08/11 (Sat) 20:11 | ひふみ #- | URL | 編集

こんばんは。
本文の漢詩は、「奥の細道」の「平泉」にも登場しますね。
『夏草や強者どもが夢のあと』の。
よく引用される、見事な五言絶句だと思います。
漢詩は日本語にはない表意文字独特の韻を踏んで作られていますが、簡潔で美しい世界ですよね。
神主さまの漢詩、楽しみにしています↑

2012/08/11 (Sat) 21:44 | 雅堂 #- | URL | 編集
躾という心の教育

夏休み!甥っ子たちが滞在中、楽しい行事をこなしていますが、先日、お墓掃除に行った時!

カンカン照りで暑いのに自分の帽子を脱いで墓石にかぶせてる甥っ子!
『何してるの、帽子かぶるなさい、日射病になるよ』と言うと
『ひいお爺ちゃん暑いから貸してあげた』

と言います。

そんな風に思える心に育ってくれたことを御先祖様 氏神さまに感謝しました。

やっぱり神仏を敬うことは、心には必要なのだと しみじみ思いました。

裸で寝ても、ちゃんと 腹巻きは しましょう!

2012/08/12 (Sun) 00:47 | 見古都 #- | URL | 編集

漢詩おてあげですわ(ToT)

文法から言って英語でしょう。それに韻を踏まなくてはならない決まりもあるし……

和歌の掛け詞の方が馴染みやすいです。

DNLに行けなくても、神社はワンダーランドですよね。かって寺山修司は「書を捨て街に出よう」としましたが、PCを捨て神社で感じようってところでしょうか。

たまに雅楽とかのお復習の音とか流れてくれば、マイケルまっ青なネバーランドです。

子供の頃、どうしても扉の向こうが見たくて仕方なかったです。別に大人になりたくないってことはなかったですが、大人になったら開けて見れるのかな?とは思いました。

子供の感性はスルドイものです。神サン閉じ込められてかわいそうだってw(゜o゜)w

2012/08/12 (Sun) 10:45 | ジンジャー #lH9P8MKE | URL | 編集
校正

サラッと読んでましたが、アレレ、ちょっと引っかかるところがありました。

言わんとするところはわかりますがアレレこの感じ(漢字)でよかったのかな?

要約すると…とは確かにいいます。しかしながら中国語・漢文を日本語に翻訳すると―じゃあないでしょうか?

和訳・意訳。「約」は「訳」を使うんではないですか?


庭の植木を「選定」するじゃなくて「剪定」と同じです。

2012/08/14 (Tue) 14:44 | ジンジャー #lH9P8MKE | URL | 編集

漢学なくして今の日本なし。
本居宣長が示したように、やまとことばだけではcurrent Japaneseは伝わりませんですよ。
しかし、古にはJapaneseは漢字を使っていない。

ということは、真の復古とは、言挙げせずの、
logicalでない状態へ。

さにあらずんば、妄想的日本への回帰。

2012/08/15 (Wed) 12:53 | Petr #JyN/eAqk | URL | 編集
ひふみさま

いや、朝になったら寒いですが寝るときはやっぱり暑いですから。
はだかは仕方ないですよ(=^_^;=)ゞ 
あ、やっぱり蝶でしたか。
放射線がどうこうと恐ろしく、騒がれますが、木々は茂るし蝶はとぶんですよね
そこはやっぱり山河あり。
大きいなあ、と思います。

2012/08/15 (Wed) 21:57 | 神主 #X.Av9vec | URL | 編集
雅堂さま

おひさしぶりです。こんばんは。
芭蕉も杜甫の詩大好きなんですよね、たしか。

あ、いや私が自分で作ったのではなく、教えてもらいながらカスタマイズしたとでもいいますか。
そんな感じです。
あと一息、完成したらお披露目もしたいなとは思うんですが。あと一息。

2012/08/15 (Wed) 21:59 | 神主 #X.Av9vec | URL | 編集
見古都さま


帽子を貸してあげた・・・
子供ってたまにものすごく、心に染みいるようなことサラっと言いますよね。
いろんなことに触れて、感じて、大人になってもそういう気持ちを持ち続けてほしいし、そのためにできるだけのことを感じ取ってもらえるように、わたしの関われる子たちに対してしたいと思います。

はらまき・・・そのわずかな密着部分も暑いじゃないですか(=^_^;=)ゞ 

2012/08/15 (Wed) 22:02 | 神主 #X.Av9vec | URL | 編集
ジンジャーさま


>和訳・意訳。「約」は「訳」を使うんではないですか?
そのとおりですね。ありがとうございます。何も考えずに「やく」と打って変換、最初にでた「約」をそのまま使ってました。パソコン、便利な副作用ですねコレ。

漢詩は決まりごとがあるから難しい。いろいろ助けを求めた人達もそれがあるからなかなかできないと、全然進みませんでしたから。中国人の人たちにも助けを求めましたが、漢詩にはちょっと・・・てことでしたし。

2012/08/15 (Wed) 22:08 | 神主 #X.Av9vec | URL | 編集
Peterさま

そうですね。もともと日本には文字がなく、漢字がはいってきて、やまとことばにそれを当てたくらいですし。
古事記なんて大変な苦労だったことだと、想像できます。

2012/08/15 (Wed) 22:12 | 神主 #X.Av9vec | URL | 編集

今年は古事記1300年記念の年らしいです。
太安万侶さんの序が正しいという仮定での話でしょう。
あれは、まったく別々にかかれたもので誰かが無理やりつなげたという話もあります。

漢詩で思い出したのが、
菅原道真を都から追い出そうとした本当の理由は、
遣唐使にはなりたくないが唐風の大教養人で、
和歌よりも漢詩でとんでもないくらいの評判だった、
そしてさらにとんでもないほど、
祈れる道真さんを、
疎ましく思った、
いわゆる和風文化を目指した藤原時平さんらの、
「道真さん、目障り」ということで追い出されたという話。
結果は、みなさんご存知のとおり。

あの当時の皆さんは、非常に敏感ですから、見えないことに。

2012/08/16 (Thu) 11:15 | Peter #JyN/eAqk | URL | 編集
Peterさま

1300年目ということで私たちもちょくちょく記念事業などもやりました。
あと出雲展もそれに少しからめてありましたね

2012/08/19 (Sun) 22:58 | 神主 #X.Av9vec | URL | 編集

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